母親は、萱の木を、じっと見上げる。
母親「うわあ。龍くん。大きな木。」
トマト「あれ、あの人、あんなところに立ち止まっちゃったよ。あたしにくっついてきたのに。あの人だけだったんだ、声かけてくれたの。」
*「そうなんだ。」
*「ここ通るひとたち、みんな、おれたちより、この木に、感心してくよ。」
*「迫力あるもんね。やっぱりかなわないのよ、あれには。」
*「ねえ。ちょっと見て。」
トマト「ねえ、ちょっと。」
トマトが萱の木のほうへ。
トマト「こんにちはです。」
残りの仮装集団も萱の木の前へ
萱の木の周りに立ち、手をつなぐ、
母親「わあ、龍くん。よかったね。」
回りながら、歌を歌う。
*「おおきな、かやの木の下で♪ ... 」
諭す男「これです。この木です。」
仮装集団と母親と龍之介、ふと足を止める。