第3話「タヌキと住む街」


ストーリー(1)

東急田園都市線藤が丘駅。

夜、駅前で、彼氏の到着を待つ、クミ。

しばらくして、彼氏、正一郎の運転する車が到着。

車は、駅前を後にする。

今日は、正一郎とクミがともに暮らすためのアパートを見に行く日。午後7時までに行かなければならないため、正一郎は、急いで車を走らせる。

クミ「こんなところで、月10万か。」
正一郎「2DKなら安い。何とか2人でやっていける。」

すると、車に、何かぶつかったような感覚を受け、正一郎は、あわてて、急ブレーキをかける。

正一郎「あっ!!」
クミ「きゃっ!!」

クミ「何よ。どうしたのよ。」
正一郎「いけねえ。猫だ。飛び出してきやがった。ええい。仕方ない。」

そのまま、車を走らせようとする正一郎。それをクミが止める。

クミ「だって、生きてるかもしれない。ねえ、見てきて。」
正一郎「仕方ないんだよ。動物の飛び出しは。」
クミ「だって、ならいい。私見てくる。」

クミが車を降りる。正一郎も仕方がなく、車を降り、あたりを確認する。

クミ「正ちゃん、猫じゃない。」
正一郎「猫じゃない? タヌキだ。こいつは、タヌキだよ。」

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