第1話「大山の見える街」


ストーリー(1)

横浜市青葉区に昔から住んでいる、松原家は、現在も、古いかやぶきの屋根の家で、昔ながらの生活を送っている。

嘉平は、いつもどおり、庭の掃き掃除を、

とめは、何かに祈りを捧げている。

となりの住人の女性は、松原家の古風な生活や、祈りを捧げているとめの姿に関心を寄せ、いつも2階の窓から、様子を伺っている。

嘉平の息子の嘉一は、近くに別の家を建てて暮らしている。ある日、嘉一の息子、功一が、松原家のかやぶき屋根の家のほうを見ているとなりの女性を見て、

功一「なに見てるんだ? 毎日。」

朝食の時間、機嫌悪そうに,降りてくる。

もと子「おはよう。」
功一「...」
嘉一「おはようございますくらいいったらどうだ。」
功一「おはようございますなんて気分じゃないんだよ。いいところに就職決まったら、100回でも言うさ。晴れやかな気分でね。」
嘉一「気分はどうあれ、あいさつはあいさつだ。世の中、それじゃ通らんぞ。」

功一「俺のこと、とやかく言うより、となりの爺さん婆さん早く連れてきなよ。今に、大変なことになっても知らないよ。年寄りが、あんな、かやぶきの下で、ぼーぼー火をたいて、風呂まで沸かしてるんだから。」
嘉一「どう勧めたって、おれらはこっちがいいの一点張りだ。仕方ないだろう。」
功一「わがままだよ。」

功一は、嘉一に、文句をぶつける。

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